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【猫説】今昔物語

猫が織りなす不思議な世界の物語

【猫説 今昔物語】秀才と天才

今となってはもう昔のことになってしまったので,それが本当のことなのかどうか知っているものはおりません。

あるとき,弟子の猫楽が猫六師匠に尋ねました。

「師匠。秀才と天才はどのようにちがうのでしょうか」

猫六師匠は答えました。

「常に学問などにおいて一番の成績を修めるのが秀才,常に学問などにおいて新たな価値をつくり出すことができるのが天才です」

「それでは,どちらのほうが優れているのでしょうか」

「それは難しい質問ですね。秀才とは相対的に最も優れているけれども,天才とは絶対的な価値をもつものだからです。一番のものが秀才であることは先程いいましたね。一番が秀才であると同時に天才であることは可能です。しかし,百番のものは天才である可能性はあるものの秀才ではありません」

「つまり,両者を比べたときには秀才のほうが常に優れているということでしょうか」

「相対的に優れているものと,絶対的に価値のあるものを比べることはできないのです」

そういうと,猫六師匠は自室に入っていってしまいました。